通常のウッドフォードリザーブとの違い
通常版が「バランスと複雑さ」を楽しむタイプなら、ダブルオークドは
「甘さ・樽香・濃厚さ」をより楽しめる一本。
通常版にもバニラやキャラメル、スパイス、果実などさまざまな風味がありますが、
ダブルオークドでは二度目の樽熟成によって、ダークキャラメル、チョコレート、
ナッツ、トーストした木などのニュアンスがさらに前へ出てきます。
「バーボンのバニラやキャラメルのような甘さが好き」という方には、ぜひ一度試してほしい一本です。
ストレートやロックで樽由来の風味をじっくり味わうのはもちろん、その濃厚さを生かしたオールドファッションドにもおすすめです。
「ダブルオークド」の2本目の樽が面白い
名前の「Double Oaked」は、単純に「長く樽熟成した」という意味ではありません。
通常のウッドフォードリザーブを熟成させた後、さらに別の新しいオーク樽へ移して
追加熟成します。
ポイントは、この「2本目の樽」。
樽の内側を深くトースト(加熱)した後、軽くチャー(焦がす)という特別な処理が施されています。
この二度目の樽熟成によって、木からさらに豊かな甘さや香ばしさが引き出されます。
公式テイスティングノートでは、ダークフルーツ、キャラメル、ハチミツ、チョコレート、マジパン、トーストオーク、バニラ、ヘーゼルナッツ、リンゴなどが挙げられています。
つまりダブルオークドは、単に「樽香が強いバーボン」ではなく、「2本目の樽を使って、木から甘さと香ばしさをもう一段引き出したバーボン」なのです。
ダブルオークドを生み出した男
このボトルを語るうえで欠かせない人物が、クリス・モリス(Chris Morris)。
ウッドフォードリザーブ公式でも、ダブルオークドの「mastermind(立役者)」として
紹介されています。
モリスは1976年にブラウン・フォーマンでウイスキー業界のキャリアをスタート。
リンカーン・ヘンダーソンのもとで経験を積み、2003年にウッドフォードリザーブの
マスターディスティラーに就任しました。
彼が面白いのは、伝統を守るだけの蒸留家ではなかったこと。
シャルドネやピノ・ノワール樽を使ったバーボンや、メープルウッド樽の開発など、
さまざまな「樽の実験」に挑戦してきました。
その革新的な発想から生まれた代表作の一つが、2012年発売の「ウッドフォードリザーブダブルオークド」です。
伝統的なバーボンをまったく別物にするのではなく、「ウッドフォードリザーブらしさを残したまま、樽で新しい味をつくる」そんな発想が詰まった一本です。
「樽は容器ではなく、味をつくる材料」
バーボンにとって樽は、単なる保存容器ではありません。
ウッドフォードリザーブを手掛けるブラウン・フォーマンは自社のクーパレッジ
(樽製造施設)を持ち、樽づくりからトースト、チャーまで深く関わっています。
つまり、「どんな原酒を造るか」だけではなく、「どんな木を、どう焼くか」までが味づくり。
ダブルオークドは、その考え方が非常に分かりやすく表れた一本です。
チョコレートと合わせると面白い
ダブルオークドを飲むなら、ぜひ試してほしいのがチョコレートとのペアリング。
ウッドフォードリザーブ公式でもチョコレートとのペアリングが
提案され、ショコラティエとのコラボレーションも行われています。
ダブルオークドには、チョコレート、キャラメル、バニラ、ナッツなどを思わせる
香味があります。
ビターチョコレートを一口食べてから少量のダブルオークドを飲むと、樽由来の甘さや香ばしさをより探しやすくなります。
実は世界的にもかなり売れている
ダブルオークドは、単なる「ウッドフォードリザーブの変わり種」ではありません。
ブラウン・フォーマンによると、2012年に発売されたダブルオークドは、IWSR 2023のデータで「世界のウルトラプレミアム・アメリカンウイスキー販売量 第3位」
に成長しています。「2本目の樽」という実験的なアイデアから生まれた一本が、今では世界的な人気商品になったわけです。


コメントを残す